ハチクロ9巻420円
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/07/14
- メディア: ペーパーバック
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主要キャラが重傷を負ったことにより周囲の心情・関係が一変、という個人的にはかなり不満な流れです。「事故・大怪我」というアクシデントはストーリーを急展開させるのに有効だろうけど、本来のテーマ以外に不要なコブが出来て素直に楽しめなくなる気がする。アクシデントに頼らずにあくまで健全に(と書くのは変かもしれないけど)竹本やはぐたちが考えて悩んで、自分で決意したうえで展開してほしかった。半ストーカーな真山だって自分で行動した結果、リカに近づくことができたんだし。
あいかわらず可哀想なのが竹本で、はぐからは友達以上の存在としては見られておらず、信頼度では修ちゃん(先生)に負け、恋愛対象、尊敬対象としても森田に負けている。さらに金銭的余裕がないので見舞いの花さえ買うことができない。羽海野さんは竹本の扱いに困っていて、でも話には絡ませなきゃ……と苦労してる様が思い浮かびます。いっそ修ちゃんの立場だったら森田と肉薄できて良かったのに。でも最後「描けなくなったらどうしよう」と心の内を吐露するはぐに対し「もう描くな」と言う森田を見て、はぐ×森田ルートは無くなったかなと予想。やはり森田は彼女を支えてはくれないんだ。
まあ、一番悲惨なのは交通事故で親友を失い、さらに大事な姪が怪我してしまった修ちゃんだと思います。それでも涙を見せないのは、さすがハチクロで数少ない(というか唯一の)大人。