狼と香辛料9巻 対立の町 下【578円】

全体を通して消化不良感が拭えなかった下巻。キーマンとエーブとの仲介役になったロレンスの視点でしか語られないので、二人の交渉内容も分からず、張り巡らせていただろう根回しや情報戦もはぐらかされたまま一件が終わってしまった。「なんかすごいことやってるんだよ。詳しくは言えないけど」というハッタリで最後まで誤摩化された感じ。北と南に分かれた町の対立、イッカクの存在、教会と商会の状況を整理せず読んだのがマズかったかな。イッカクはともかく町の権利はどうなったんだろ。もう一度読み返せば分かるかなぁ。印象に残ったのはエーブの最後の行動くらいか。ロレンスモテモテですね。
次巻からは新天地へ。てっきりエーブも同行するかと思ったけど一旦、ここでお別れの模様。ホロの故郷からどんどん遠のき、この物語はどこへ向かうのだろう。締め所を間違った…と考えるのは早計でしょうか。